このページではオートバイの構造、歴史、種類、区分、安全装備、ヘルメットについてそれぞれ解説しています。オートバイの基礎知識を頭に入れておけば、バイク旅行/ツーリングがもっと楽しくなると思いますよ♪
オートバイの構造
後輪駆動がほとんど全てと言ってもいいですが、特殊車輌としては二輪駆動のオートバイもあります。一般的なオートバイは全て後輪駆動となっています。マニュアル車はブレーキやスロットルは右側、変速などクラッチやシフトペダルは左側に付いており、スクーターなどは全てオートマのMT車となっています。操縦の安定性と走行を快適に保つために現代のほとんどのオートバイにはサスペンションが付いており、前輪がテレスコピック、後輪がスイングアーム形式となっています。クレードル、ダブルクレードル、ダイアモンド、モノコック、モノバックボーン、ツインスパーなどのフレーム形状の種類があり、これが車体の特徴付けとなっています。
オートバイの歴史
オートバイはフランスのエンジニアであったルイ-ギヨーム・ペローにより発明され、蒸気機関エンジンが搭載され1868年に特許を取得しました。これがオートバイの原型となっており、当時では画期的な発明で1873年ウィーン万博にも展示されたほどです。
初期は蒸気機関で開発されたオートバイですが、現代のオートバイ直系の原型となっている内燃機関エンジンを搭載したバイクは、1885年ダイムラー・クライスラー社により開発されました。そして現代でも超人気のオートバイメーカーである「ハーレーダビッドソン社」を設立した、ウイリアム・ハーレーとアーサー・ダビッドソンという二人が1903年にそのモデルの原型となるバイクを製造しました。
日本では1906年に島津楢蔵が作ったNS号が初の国内産オートバイとなっておりますが、当初国内では輸入車が中心でオートバイの利用自体も少ないという状況でした。世界的に見ても一般にオートバイが普及して来だしたのは1920年代に入ってからで、馬車に変わる『乗り物』として普及が進んできました。1930年代に入ると現在の宮田工業がアサヒ号を発売、ハーレーも輸入され三共から『陸王』という名で発売、この頃から日本のオートバイ事情もどんどん活発化していきました。
そして活発化の大きな節目となったのは太平洋戦争で、その終戦後に軍事機器を製造していた会社が方向転換を余儀なくされオートバイ製造という新事業にこぞって参入してきました。これがその後の大普及のきっかけです。富士重工(当時富士産業)のラビット、中日本重工のスクーター、目黒製作所のメグロ(後にカワサキに技術移転)、東京発動機のトーハツ、本田技研工業のモペット(カブの原型)など様々なオートバイが発売され人気を呼びました。
その後、並列多気筒エンジン搭載の高回転高出力エンジンが開発されサーキット界等でホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキとしのぎを削り、オートバイはどんどん高性能化されていきました。しかし自動車が一般庶民への大普及につれ、オートバイ人口とオートバイの売り上げが減少していき、現代では移動手段の乗り物としてというよりも『趣味としての乗り物』のいうあり方になってきました。しかしオートバイはビジネス分野の一部でも大躍進しバイク便や救急バイクなど、現代の社会になくてはならないものとなっております。
オートバイの種類/区分
オートバイは道路交通法、道路運送車両法で排気量にて区分されており、免許やプレート色等各種が区別されております。※以下2006年現在のものです。尚、免許取得期間3年以上且つ20歳以上等の条件付きで2005年4月1日から高速道路での二人乗りが解禁されました。また2005年6月1日からAT限定免許も新設され、事実上スクーターが対象となっており大型スクーターの運転免許が取得しやすくなりました。
■排気量50cc以下
◇原動機付自転車
◇免許:原動機付自転車免許または普通免許等
◇プレート色:白
◇高速道路:通行不可
◇車検:不要
◇一般道最高速度:30km/h
■排気量50cc〜125cc以下
◇小型自動二輪車
◇免許:普通二輪免許(小型限定)
◇プレート色:黄or桃
◇高速道路:通行不可
◇車検:不要
◇一般道最高速度:60km/h
■排気量125cc〜250cc以下
◇普通自動二輪車
◇免許:大型二輪免許
◇プレート色:白
◇高速道路:通行可
◇車検:不要
◇一般道最高速度:60km/h
■排気量250cc〜400cc以下
◇普通自動二輪車
◇免許:大型二輪免許
◇プレート色:白&緑枠
◇高速道路:通行可
◇車検:必要
◇一般道最高速度:60km/h
■排気量400cc以上
◇大型自動二輪車
◇免許:大型二輪免許
◇プレート色:白&緑枠
◇高速道路:通行可
◇車検:必要
◇一般道最高速度:60km/h
オートバイの安全装備
■法的に義務付けられている装備
◇ヘルメット
■教習所推奨の最低限の装備
◇フルフェイス型orジェット型ヘルメット
◇長袖長ズボン
◇手の平をガードするグローブ(ナックルプロテクターが着いてるもの等)
◇ブーツorライディングシューズ(足首までの長さの物)
※ジェット型とは側頭部と後頭部を覆うタイプのヘルメットです。フルフェイス型はジェット型にチンガードが付いたもので、目の部分だけが開いてるタイプのヘルメットです。
■反射材
特に夜間走行の視認性を良くするために推奨。
■雨具
オートバイ用高機能雨合羽や透湿防水機能を備えた全天候型ライディングウェア等。
※ライディングウェアとはオートバイに乗る際に身体に付ける衣服のことを言い、専用のウェアが各種発売されております。また乗る際の装備全般をライディングギアと呼びます。
ヘルメット
日本でオートバイの走行時に義務づけられているヘルメットですが、消費生活用製品安全法により特定製品とされ、検査をしている照明となる「PSCマーク」が付いているものしか販売ができなくなっております。PSCマークはバイク用のヘルメットの証明です。またSG、JIS、SNELLなどの規格が制定されております。
■オートバイヘルメットの規格
◇SNELL:国際規格、5年おきに見直し、M2005、M2000、M95がありM2005が最も安全性が高いとされています。
◇MFJ規格:日本モーターサイクルスポーツ協会が制定。競技対応規格。
◇JIS2000:旧JIS規格各種が統合され2000年に制定。
内閣府令が定める「道路交通法施行規則第九条の五」の基準 としては、「左右、上下の視野が十分とれること」、「風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること」、「著しく聴力を損ねない構造であること」、「衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること」、「衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること」、「重量が二キログラム以下であること」、「人体を傷つけるおそれがある構造でないこと」という7つが乗車用ヘルメットに定められています。